2012/3/2のドル円相場の考察
先週のドル/円相場の動きをテクニカルで検証してみます。
[拡大画像はこちら] |
チャートは、ドル/円の日足、一目均衡表、Williams %Rを表示しています。 |
先週のドル/円は、週初にイラン情勢への懸念を受けて81.70円水準まで上昇したものの、G-20声明で為替市場の過度な変動に対する牽制文言が削除されたこと、日本の2月上旬の貿易収支が黒字だったこと、量的緩和第3弾(QE3)観測が浮上したことで80円割れをうかがう水準まで押し戻されました。
エルピーダメモリ破綻によるリスク回避の円買いと3月期末決算に向けたリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)も、ドル/円の上値を抑えた要因との指摘もありました。
しかし、バーナンキFRB議長が議会証言で量的緩和第3弾(QE3)を示唆する発言をしなかったことやNYMEX原油先物価格が110ドル台まで上昇したことを受けて、週末には再びドルが上値を試す展開となり、昨年5月以来の81.87円をつけ、その高値水準で週越えすることとなりました。
海外投機筋のポジション動向を示す米シカゴ・マーカンタイル取引所の通貨先物取引でノンコマーシャルの取引が昨年5月依頼9カ月ぶりの売り越しに転じるなど、市場のムードは円安方向に傾いています。
テクニカルで見ても、一目均衡表など完全に買い環境となっており上値抵抗も見られず、青天井という感じです。
ただし、2月の安値76円水準から一カ月で約6円の上昇となっており、やや過熱感が懸念されるものとなっています。
この上昇にエリオット波動を当てはめると、現在第5波を形成している可能性が示唆されています。
この波動カウントを基に考えると、5波は1波と同じ長さとすると目標は81.8円、又は5波は3波の38.2%とすると81.70円となり、先週末でその目標を達成していることとなります。
また、Williams%Rも再びゼロ水準を回復しており、買い過熱感が出て調整は行っても不思議ではありません(A)。
もっとも、エリオット波動で5波は3波の61.8%となる場合もあり、その時は82.70円レベルがターゲットとなることも留意しておくべきでしょう。
提供: FXトレーディングシステムズ
☆一目均衡表とWilliams %Rなら、使いやすい各種チャートが充実のFXブロードネット☆
@FX編集局からのオリジナルレポートも配信中 ⇒ココから