TOP » テクニカルで検証する昨日の相場 » 2010/04/13のドル円相場の考察

テクニカルで検証する昨日の相場

2010/04/13のドル円相場の考察

昨日のドル/円相場の動きをテクニカルで検証してみます。


[拡大画像はこちら]
チャートは、ドル/円の1時間足、パラボリックストキャスティクスを表示しています。

昨日は、東京スタートから調整のドル売りが続き、ドル/円は上値の重い展開となりました。
その後、93円をクリアーに下抜けたことで92.60円水準まで下落しました(A)

しかし、欧州参入時間頃、民主党のデフレ脱却議連が公表したマニフェスト案に「購買力平価を参考にドル/円は120円程度の水準が適切な目標。」とされていたことが材料となり、一転して円売り動向が優勢になり、ドル/円はストップロスを巻き込みながら急速に上昇する展開で94.40円水準まで値を回復しました。
この動きで、パラボリックも買い転換しています(B)

その後、民主党からマニフェスト案の為替部分の表現を弱める方向で修正すると発表されたこと、米貿易赤字が予想以上に拡大しており、これが米金利を押し下げる圧力となったことなどから、ドルは再び下落し東京時間の安値水準まで押し下げられ、再度パラボリックの売り転換となりました(C)

荒れた相場はそのままでは終わらず、米シンクタンクのレポートを材料にFRBの金融スタンスにおいて「長期間」とした低金利持続期間の表現を変更する可能性が噂されて、再び米金利上昇への思惑が台頭した格好になると、一転してドル/円は上昇し、またもパラボリックの買い転換となりました(D)

材料や思惑に振り回されて大きく乱高下した一日で、レンジ相場になって短期間に価格が上下する状態になると、だましが多くなってしまうパラボリックの弱点がはっきりと出てしまった相場といえます。

ストキャスティクスをみても上下に振り回され、方向感のないレンジ相場だったことが窺われます(E)

【テクニカル一口解説】

1. パラボリック
パラボリックは、J.W.ワイルダー氏が考案したSAR(ストップ&リバースポイント)と呼ばれるラインを用いたトレンドフォロー型の指標です。
パラボリックには「放物線上の」という意味があり、 SARがチャート上に放物線を描くように見えることから「パラボリック」と呼ばれています。描かれた放物線(SAR)と実際の価格の交差するポイントが売買転換点を示し、途転(買い方なら買いを手仕舞い、売りを入れる手法)を繰り返して行うのがパラボリックの狙いです。
パラボリックは、価格が長期間にわたって一方向に動く場合に有効なものと言えますが、レンジ相場になって短期間に価格が上下する状態になると、だましが多くなってしまいます。

2. ストキャスティクス
ストキャスティクスは売られすぎ、買われすぎに注目したチャートで、これまでの値動きに照らし合わせて、どのようなポジションにあるのかを示します。
ストキャスティックスは当該期間において現状はその変動幅のどのあたりに位置しているのかを0~100の間で数値化するテクニカル分析です。
つまり、この数値が大きいほどレンジの高値、小さいほどレンジの安値に位置していることを示します。

提供: FXトレーディングシステムズ
☆パラボリックとDMIなら、使いやすい各種チャートが充実のFXブロードネット
@FX編集局からのオリジナルレポートも配信中 ⇒ココから

ページトップ