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佐藤 正和の為替コラム

日銀金融政策決定会合

3月16日、17日と両日にわたり「注目の日銀金融政策決定会合」が行われました。

なぜ、今回は「注目」という枕ことばが付くのかと言えば、
昨年12月の臨時政策会合では「新型オペ」が導入され「予想外」」の円安に振れた経緯があり、
市場は今回も「円安に振れる」という連想を抱いていたからです。

新型オペによる資金供給の枠を10兆円程度から20兆円程度まで拡大させることと、
期間の延長が予想されましたが、結果は前者の供給枠の拡大にとどまりました。

この結果、発表後は前回のような「円安効果」は起きず、やや期待外れに終わった
感があります。

しかも、今回は白川総裁を含め7名いる政策委員のうち、須田委員と野田委員が
枠拡大に反対票を投じました。

政策は多数決で決められるため「5対2」で枠拡大が決定されましたが、今回の反対票は
「政治的色彩」が強かったように思われます。

菅副総理は財務相を兼任して以来日銀には相当なプレッシャーを与え続けています。
せめてデフレからの脱却だけでも・・という圧力を日銀にかけ続けており、今回の
会合で仮に、期間の延長と供給枠の拡大を全会一致で決定した場合、どうしても
政治的圧力に負けた、との印象を免れません。

そのため2名の委員が反対に回ったとの見方が出てきました。
しかし、経済的効果という視点からは「全会一致」と「5対2」との差は説明ができません。
この推測が事実なら、日銀の独立性という点では「悪しき前例」を残したと
言わざるを得ません。

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