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佐藤 正和の為替コラム

雇用者数と失業率

4月2日に発表された米3月の雇用統計はドル円相場に大きな影響を
与えました。
失業率は横ばいの9.7%でしたが、雇用者数は事前の予想を下回ったものの
16万2千人の増加と3年ぶりの大幅な伸びを見せました。
この結果、米出口は近付いたとしてドル円は94円台まで急騰しました。

リーマンショック後の雇用者数の推移を振り返ってみると、最悪の時期が
2009年3月で66万3千人の減少でしたから、かなりの改善を示したことに
なります。
この時の失業率は8.5%です。
つまり、雇用者数が82万人以上改善しているにもかかわらず、失業率は依然として
当時の水準を上回っていることになります。

そもそも、この失業率には「遅行性」があると言われており、一般的に
雇用が改善傾向を見せても、6ヵ月~10ヵ月程度遅れて改善傾向を示す、
とされています。
失業率はその後も悪化し、最悪の時期は2009年10月の10.2%でした。
ここが同指標のボトムとして上記セオリーに従えば2010年4月~8月に
かけては相当シャープな改善を見せることになります。

失業率が横ばいでも、雇用者数が大幅に改善したことでドル円が急騰した
わけですから、今年の夏場にかけて仮に失業率が9%を下回るような
事態になった場合、ドル円はどこまで買われるでしょう・・・。

為替に直接大きな影響を与えるだけに、この失業率の「遅行性」は頭に
入れておきたいものです。

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