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佐藤 正和の為替コラム

トリシェECB総裁の苦悩

ギリシャ発の危機は同国のソブリンリスクを高めただけではなく、
信用不安がポルトガル、スペインあるいはアイルランドにまで波及しそうな
状況です。
このような信用不安の連鎖を断ち切るため、EUとECBは
ユーロ防衛のための基金を7500億ユーロという規模で創設し、
さらに、これまでトリシェECB総裁が「議論にもでなかった」
と言い続けてきた国債の買い取も決断しました。

市場はではこの決定にユーロの買い戻しが活発となり、ユーロドルも
底値から600ポイント、対円でも12円ほどユーロ高に振れています。
このままギリシャ問題が片付くとは誰も考えていないとは思いますが、
はたして今回の支援策がどこまで効果があるか注目しています。

 ところで、ユーロ防衛、信用不安の払拭のため思い切った政策を
決めたECBですが、そのことによって「新たな悩み」も出てきました。
ECBは基本的にはドイツの中央銀行であるブンデスバンクを基本モデルに
創設されました。
その基本スタンスは「中央銀行の独立性」と「健全な財務内容」です。
今回の決定により、ECBはギリシャ国債を始め、流動性の枯渇している
国の国債を買い取ることになります。
市場では見向きもされない国債を敢えて購入し、流動性を供給することに
なるわけです。
その結果、ECBのバランスシートは劣化し、もし今後ギリシャがさらに苦境に
陥った場合には、ECBそのものが中央銀行として苦境に委立たされる
ことが考えられます。

トリシェ総裁の頭痛の種は尽きません。

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