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佐藤 正和の為替コラム

ドル円の上昇は終わったのか?

ドル円は4月2日に今年のドル円最高値の93円78銭を抜き、その後
4月6日には94円78銭まで上昇ました。この間2007年6月から
始まったドル安の長期トレンドが「週足」で上抜けしたことで、俄然
ドル上昇に弾みがついたわけです。
「長期ドル安トレンドの終焉」と、市場もドル高円安に備える
姿勢に転換しそうなセンチメントでした。
事実、投機筋などが主に利用するシカゴ先物市場では3月30日に、
それまでの「ドル売り円買い」ポジションから「ドル買い円売り」ポジションに
転換しており、これが上記94円台乗せを演出したことは間違いないと
思われます。
このポジションはその後さらに積み上がっており4月6日現在では4万枚
と約3年ぶりの水準にまで膨らんでいます。

しかしドル円はその後、94円に乗せることなく調整を続け、足元では
92円台で推移しむしろ「下値」がどこまであるのかを確認する動きになっています。
ではドルは天井を付け今後下落に向かうのでしょうか?

結論から言えば「NO」です。
今の状況は単に上昇局面での「調整」の一環と観ています。
理由は、米経済の回復は着実に進んでいるということです。懸念されていた
雇用市場も3月の雇用者数は大幅に増加していました。
失業率の低迷は前回の記事で述べた通りです。
加えて、製造業の回復は「リーマンショク時」の水準に近づきつつあります。
米ファンダメンタルズ回復を考えれば、日米の出口までの距離は明白です。
また米株式市場の堅調さもドルサポート材料です。

今後ドル調整のメドとしては、今回上昇分の38.2%にあたる92円24銭が
最初の重要なサポートになります。またその下ではこれまでのレジスタンスであった
日足の「200日移動平均線」が位置する91円36銭がサポートです。

提供: 外為オンライン
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